登山記録写真  
 

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韓国:済州島
 漢拏山
 はんらさん 1,950   2010 平成22年11月 9日(火) 標高差約1,200m

 【 漢拏山 】

 ・ 漢拏山(ハンラサン)は海抜1,950mの済州島(チェジュ)中央にある山。神の山「ハンラ山」。
 ・「天の川を掴む事が出来るくらい高い山」という意味で「瀛州山」とも呼ばれており、金剛山(クムガンサン)、智異山(チリサン)とともに韓国の三神山の一つとして知られている。
 ・ 現在は、死火山ですが、古来から金剛山、智異山とともに三神山の1つで、山麓一帯は360余の寄生火山が分布。頂上には火口湖「白鹿潭」があります。四季を通じて楽しめますが、4月下旬からゲンカイツツジやクロフネツツジなどが咲き、山肌をピンクに染めます。150科、1700種以上の垂直分布をみせる植物の宝庫。
 ・ 山の容姿は日本の伯耆大山と良く似ている。
 ・ 漢拏山は多様な植物が分布しており、学術的価値が高いため1970年に 国立公園に指定されました。周辺には寄生火山「オルム」が分布している。
 ・ 漢拏山は温帯から寒帯気候帯まで、植物の垂直生態系を保っているところとして有名。
 ・  1,800種類の植物と4,000種類の動物(昆虫類3,300種)が生息し生態系を形成している。
 ・ 漢拏山は登山コースが発達しています。10km以内の短い登山路なので、頂上まで日帰りで登山ができます。しかし気候の変化が激しく風が強いため、装備を充分に準備して山に登る必要があります。
 ・ 初めての海外登山に最適な山。
 ・ 世界遺産の自然を守るため歩きやすく整備された頂上までのルートは登り・下りとも一本道で万が一グループとはぐれても道に迷うことはありません。ルート上には仮設トイレや避難小屋があり、安心して登山が楽しめる。
 ・ 周囲に360の寄生火山が作り出す独特で神秘的な景観と、優れた学術的価値で1970年に国立公園に指定されて保護を受けています。
 ・ 韓国の最高峰(1950m)。但し自然保護のため最高点へは2ルートのみ。
 ・ 登山道は「城板岳コース」(9.6km、4.5時間、標高差1200m)もしくは「観音寺コース」(8.7km、5時間、標高差1300m)。
 ・ 入山料1600ウォン(約110円)。
 ・ 5月中旬なら雪は無く、冬山用装備は不要。但し往復20km近いコースなので、丹沢に登る程度の装備は必要。
 ・ 世界自然遺産に指定された地域は、漢拏山(ハルラサン)と城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)、拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟系などの3つの地域に分けられます。
 ・ 漢拏山はは韓国で最も高い山として火山作用によって生成された火山体であります。
 ・ 城山日出峰は済州道に分布する360ヶ所の単性花山体(cinder cones)の中のひとつで、海岸線沿いの優れた景観を成しています。
 ・ 拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟系は、約10〜30万年前にコムンオルムから噴出され溶岩で生成されたいくつかの溶岩洞窟であります。


《 済州島 》
 ・ 済州島(正式名称:済州特別自治道)は、韓半島の最南端に位置する島で、およそ100万年前の溶岩噴出によって誕生した火山島。
 ・ 済州島(Jejudo)は火山島で、その中央にハンラ山(漢拏山、Hallasan)があり、高さは1950mと韓国一の高山である。 側火口が360余りあることで知られている。海岸線による島の形が東北東ー西南西方向に長い長円形をしており、その長軸方向に側火口が多いと推定される。
 ・ 総面積は1,848平方キロメートルで大阪府と同じぐらいの大きさ。人口は約60万人。年間約500万人の観光客が訪れる韓国人気ナンバーワンリゾートで、日本から一番近い海外のリゾート。
 ・ 済州島の年間平均気温は11.7度。同じ緯度にある他の国や地域と比較すると実は一番低い気温。月別の平均気温でも18度以上になる月は、6〜9月の4ヶ月間のみ。
 ・ 韓国の最南端(高知県や福岡県と同緯度)に位置する火山島であり、付近を暖流である対馬海流が流れているため、大陸性気候のため冬の寒さが厳しい韓国の中では最も気候が温暖で、韓国国内では「東洋のハワイ」とも呼ばれる。
 ・ ロケ地として有名。 → ペ・ヨンジュン主演「太王四神記(テワンサシンギ)」の撮影セット場(パークサザンランド)、イ・ビョンホン主演「オールイン」のオールインハウス、イ・ヨンエ主演「チャングムの誓い」の済州民俗村博物館がある。   (2004年)4月からNHK衛星放送で放映されたドラマ『オールイン運命の愛。 済州島は今までにも数多くのドラマや映画の撮影でロケ地として使われていますが、『オールイン』の場合、ドラマの80%以上のシーンを済州島で撮影しているため、いたるところにロケ地がある。

 《 城山日出峰 》
 ・ 世界自然遺産に登録された城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)
 ・ 10万年前の海底噴火によってできた巨大岩山であり韓国を代表する景勝地の1つ。99個の岩峰が噴火口を城のように取り囲んでおり、その内側は3万坪の広大な草原を作りだしている。
 ・ 噴火口は茶碗のような形状。
 ・ 日の出の名所として有名。
 ・ 2007年にユネスコ世界自然遺産に登録。
 ・ 面積=1.688km3、 高さ=182m(噴火口はかいばつ90m)、 噴火口の直径=約600m

 『拒文岳(コムンオルム)』
  ・ 拒文岳(コムンオルム)から噴出した溶岩が海岸まで流れ、万丈窟が形成された。
  ・ 全長13.4kmありますが、実際に見学できるのは約1km。 万丈窟は、長さ7,416m、幅最大23m、高さ最高30mの単一通路。
  ・ 火山活動で生まれた寄生火山の一つ。 溶岩が流れた跡が残る溶岩谷、旧日本軍の地下壕、漢拏山の展望などの見所も多いハイキング道が整備されている。
  ・ 床面は一面、溶岩が流れつつ、冷えて固まった様子がうかがえる。
  ・ 拒文岳溶岩洞窟系は、今から約10〜30万年前に最も大きい噴火口である拒文岳から噴出した溶岩でできたいくつの溶岩洞窟。
  ・ 2,007年にユネスコ世界自然遺産に登録。

  ・ コムン=黒い。 オルム=噴火口。

 『山房窟寺』
  ・ 漢拏山の白鹿潭にあった峰が引き抜かれ投げられてできたという伝説の伝わる「山房山(395メートル)は、済州の他の山とは違って噴火口がありません。   ・ 高さ5メートルの西南側絶壁にある岩洞窟は本来は山房窟ですが、中に仏像が安置されてあるため山房窟寺(サンバングルサ)と呼ばれています。王建(877〜943)が、分裂した韓半島を統一して高麗(918〜1392)を築き上げましたが、そのときの高僧慧日法師(964〜1053)が建てた寺院です。
  ・ 洞窟の中には海岸線に沿って馬羅島と龍頭海岸の姿を見ることができます。また洞窟の天井には一年を通して水滴が落ちており、洞窟の中に溜まっていくのを見ることが出来ます。山房山の断崖の上の植物地帯は天然記念物に指定されていて、済州で唯一「アサマツゲ」が自生しています。
 ・ 山房山:『粘性の大きなマグマが地表に噴出してでき た高さ395mの熔岩ドーム(鐘状火山)。山中に部屋のような洞窟が点在していることから、山房山と名付けられた』

 『柱状節理帯』
  ・ 済州島が火山島だった時代に主として玄武岩質の溶岩によって作られた自然の造形美です。「節理」とは岩石にできた割れ目のこと。
  ・ 高温の溶岩が急激に冷却される過程で収縮し、隙間ができることからこのような柱状なものが形成されるようです。
  ・ 上から見ると一定した4?6の多角形に見えます。高いものは25メートルにも達する柱状岩石が海岸線に沿って2キロに渡って整然と発達している。
  ・ マグマが地上に露出した際に、六角形に結晶した柱状節理。
  ・ 出来たのは50万年前と言われています。
  ・ 天然記念物に指定されている。

 『ソプチコジ』
  ・ 『宮廷女官チャングムの誓い』のロケ地となった「済州民俗村(チェジュミンソクチョン)」
  ・ 伝統的な島の生活がそのままの姿で残っている「城邑民俗村(ソンウミンソクマウル」、日の出の名所として有名な「城山日出峰(ソンサンイルチェボン)」などが主な観光ポイント。民俗村が2つありますが、「済州民俗村」は、1890年頃の済州島の文化が再現されている歴史テーマパークで、「城邑民俗村」の方は、約360の茅葺き屋根の家々に現在も人が住んでいる。

 『サングンプリ』
 ・ 韓国で唯一の爆裂火口の寄生火山。 周囲2kmの噴火口、噴火口内には多くの樹木が繁殖している、天然記念物に指定されている。
 ・ クレーターの形がきれいに残っており、観光地になっているサングンプリ噴火口がある。ここは、ハンラ山の東側斜面中腹にある側火口である。活動歴は分かっていない。
 ・ 個人所有の土地内に噴火口が見つかった場所。すり鉢状の噴火口。

 『三多三無の島』
  ・ 済州島は昔から「三多三無の島」と呼ばれています。
  ・ 「三多」とは、@女性が多い   A石が多い     B風が多い(強い)
  ・ 「三無」とは、@泥棒がいない  A貧民がいない  B家の門構えがない、という意味だそうです。
  ・ 昔から決して豊かな土地ではないこの島で、人々は助け合って生活してきたという背景があり、その結果島の治安が良好になったということです。朝鮮時代には政治犯など流刑になった人々も多かった土地ですが、のんびりしたのどかな雰囲気が島全体に漂います。
 
 『トルハルバン』
  ・ 街の入口などに立てられ守護神。   どこにもある変なおじさん風石像。 
  ・ ルハルバンという言葉は、1971年に済州民族資料第2号で指定されて以降、正式名称として使用される。済州島各地で約45のトルハルバンがあるが、その石像の形と表情は少しずつ異なる。
  ・ 大きい目、鼻。唇は閉じた顔で、韓国伝統の帽子(モジャ)をかぶり、両手を腹部で合わせるのが共通の特徴。平均高約180cm。
  ・ トルハルバンは、済州島の象徴であり、街の入口などに立てられ守護神と呪術的な宗教機能を兼ね備えている。ハワイなど太平洋の各島嶼で似たような石像が見られる。 

                                 (〜フリー事典等より)

行程   平成22年11月8日(月)〜11日(木)   往復路  :航空機 ⇒⇒ バス: ≫ 、 徒歩: →
@  成田  9:45 ⇒⇒ 12:40 済州島国際空港 ≫ 城山日出峰ハイキング ≫ 済州市内 泊 
A  済州市内 ≫ 城板岳コース → 漢拏山 山頂 → 観音寺コース  ≫ 済州市内 泊
B  済州市内 ≫ 拒文岳(コムンオルム)ハイキング  ≫ 済州市内 泊
C  済州市内 ≫ 島内観光:山房窟寺 ≫ 柱状節理帯 ≫ ソプチコジ ≫ サングンプリ ≫ 済州島国際空港 18:20 ⇒⇒ 20:30 成田

【 コメント 】 
 ・ 初めての海外登山に最適な山である、韓国の済州島にある“韓国最高峰の漢拏山”登山ツアーに参加しました。
 ・ ツアーの内容は3泊4日で、2日目に漢拏山登山、他の日は島内の世界遺産巡り。
 ・ 済州島の3つの世界遺産を訪ねる、韓国最高峰の漢拏山、済州十景の一つ城山日出峰、世界一長い万丈窟などを訪れました。

《1日目》
 ・ 成田から出発、約3時間で、時差のない韓国済州島国際空港に到着。
 ・ 済州市内のレストランへ移動、昼食は韓国特有の“石焼ビビンバ”。
 ・ 昼食後、世界遺産の『城山日出峰』をハイキング。 海底噴火によって出来た標高182mの山頂まで登る。
 ・ 夕食は、済州市内のレストランで韓国名物のカルビ焼き。

《2日目》
 ・ 最もお勧めコースである、城板岳コースを登り、観音寺コースを下る。
 ・ この秋一番の真冬並みの大寒波襲来で、山頂付近は雪模様。
 ・ ホトルを6時半に出発。 登山口である城板に到着。売店、トイレがある。標高750m。
 ・ 現地の登山ガイド一人とツアーディレクターと一緒に約20名弱で登山開始。
 ・ 山頂まで、9.6km、標高差約1,200m。約4時間30分。
 ・ 下界は穏やかな天候で紅葉の中、溶岩礫が敷く詰められよく整備された登山道、板張りの散策路が続くなか、軽快に登る。
 ・ 高尾山並みの軽装で登って追い越して行く韓国人がかなりいました。
 ・ 出発後5.6kmで第4避難所に到着。標高1,050m。トイレあり。
 ・ 休憩後出発、次第に樹林帯の中に入り赤みがかった溶岩となるなか、小雪が舞い始め、1.5km先の第2避難所に到着。標高1,450m。トイレ、売店あり。
 ・ 休憩小屋内に入り、ここで早目の昼食休憩。
 ・ 本格的に雪が降り出し、すっかり冬景色。
 ・ 防寒態勢で出発、2.5km先の漢拏山山頂に到着。 山頂は強風と雪で残念ながら展望きかず。火口湖の白鹿潭(ペンノクタム)も見えず。
 ・ 早々に下山開始。下山ルートの観音寺コースから登ってくる人はほとんどいません。
 ・ 観音寺コースにはいると風も弱く雪も止み、先ほどまでの冬景色が嘘のよう。
 ・ ゴール地点の観音寺に到着。頂上から8.7km。標高620m。標高差約1,330m。
 ・ 全員無事下山。この時期にしては非常に珍しい真冬の風景を味わった登山でした。
 * 危険個所 特になし。
 ・ ホテルに着き、一服後市内へ移動、夕食は韓国名物の海鮮鍋。

《3日目》
 ・ 拒文岳(コムンオルム)ハイク。
 ・ 朝食後、バスで移動、世界遺産の『拒文岳』を観光。拒文岳(コムンオルム)は溶岩洞窟で、世界最長の洞窟。
 ・ 火山活動で生まれた寄生火山の一つ拒文岳(コムンオルム)。溶岩が流れた跡が残る溶岩谷、旧日本軍の地下壕、漢拏山の展望などの見所も多いハイキング道を歩く。(歩行距離:約13km、5時間。)
 ・ 多くの花が咲いていました。 
 ・ 夕食は韓国名物のプルコギ。

《4日目》
 ・ 終日島内観光。 
 ・ 山房窟寺
    漢拏山の白鹿潭にあった峰が引き抜かれ投げられてできたという伝説の伝わる「山房山(395メートル)。
    山の中腹に山房窟寺があって、ここから見下ろす海岸の景色は実に壮観。
 ・ 柱状節理帯
    天然記念物に指定されているとおり、海中噴火によって出来た石柱理。真四角に切り立った姿は圧巻。
 ・ ソプチコジ
   ドラマ“オールインワン”に出てくる修道院ノセット場として有名な岬に立つ修道院が非常に美しい。
   周囲は花畑で海岸の風景とマッチしており非常に美しい。
 ・ サングンプリ
   韓国で唯一の爆裂火口の寄生火山。
 ・ 観光を終えて、18時20分発の飛行機で、成田に20時30分に到着。
 ・ 海外の初めての登山、観光として有意義な経験でした。

 【 1日目:世界遺産『万丈窟』 】
 中部地方上空  〃    機内食『ベジタリアン メニュー』
 世界遺産『万丈窟』 案内板  洞窟内の溶岩  済州島案内板
 城山日出峰  〃  〃 
 城山日出峰  〃  山頂  〃
 城山日出峰より  バス天井  済州国際空港
 【 2日目:世界遺産『漢拏山』 】
 城板岳コース : 第4避難所付近    〃 第2避難所付近  〃 第2避難所売店のメニュー
 第2避難所 ソーラパネル  第2避難所 → 山頂  〃
 〃  1,800m地点  漢拏山山頂
 漢拏山山頂  〃  観音寺コース下山
 〃  〃   観音寺コース登山口の看板 (春の風景)
 【 3日目:世界遺産『拒文岳』 】 拒文岳(コムンオルム)ハイキング
 早朝 ホテルより  拒文岳 ハイキングコース   拒文岳 ハイキングコースに見られる植物  
 〃  〃   (ニラ)  〃
 〃  〃  〃
 〃   拒文岳 ハイキングコース  公園
 【 4日目:世界遺産『』 】
 山房窟寺 〜 トルハルバン  〃  〃
 〃  洞窟内  〃 〃  〃 洞窟からの展望
  山房窟寺      〃  トルハルバン  〃
 〃  〃  〃
 柱状節理帯  〃  〃
 ソプチコジ  〃  サングムブリ
 トルハルバン