1 | 運動の消費カロリー |
---|---|
2 | 運動時の体温上昇 |
3 | 運動時の水分収支 |
4 | 運動時の血液 |
5 | 運動の効用 |
6 | 健康に良い運動 |
7 | 究極の健康法 ⇒ 呼吸法 |
8 | アンチエイジング運動 |
1.【 運動の消費カロリー 】
日常の運動の強度と時間で、どの程度カロリーを消費すのるかを知ることで、体重の適性値の管理に役立てることが出来ます。
運 動 消 費 カ ロ リ ー
《 METS 》
運動によるエネルギー消費量が、安静時代謝の何倍に当たるかを示す単位
体重(kg)×METS値×時間(h)=エネルギー消費量(kcal)
《 METS 》 単位 無次元
運動 種類 | 時速 | METS値 |
ウォーキング | 4km | 3 |
〃 | 6km | 6 |
ジョギング | 8km | 7 |
〃 | 10km | 11 |
〃 | 12km | 12.5 |
サイクリング | 16km | 6 |
《 基礎代謝基準値 》
横になって安静にしているときの消費カロリー :単位 Kcal/kg/min
男 (Kcal/kg/h) | 女 | |
20歳〜39歳 | 0.972 | 0.948 |
40歳以上 | 0.92 | 0.87 |
* 50歳 体重60kの男性の基礎代謝量は、約 55 kcal/h 約 64 W 1日 約 1,300kcal
* スポーツマンの基礎代謝量は、一般人より、約 10〜15%高い。 (筋肉の割合が多いため)
* ダイエットを目指すには、エアロビクス的運動をおこなって、筋肉を付けることが最も効果的で、病気に対する抵抗力、免疫力が増加するなどで健康的です。
* 筋肉が付くと基礎新陳代謝が増加し、就寝中の消費カロリーが増加、ダイエット効果が現れます。
※ 人間のエネルギー効率
・ 一般的な値 = 25%
∴ ランニング 1km当たりの消費エネルギーは、体重(Kg)×距離(Km)
【 1時間運動した時の消費カロリー 】
性別 | 年 齢 | 体 重kg |
ウォーキング時速 4km |
ウォーキング時速6km |
ジョギング時速8km |
マラソン 時速10km |
マラソン時速12km |
男 | 20歳〜39歳 | 50 | 146 | 292 | 340 | 535 | 608 |
55 | 160 | 321 | 374 | 588 | 668 | ||
60 | 175 | 350 | 408 | 642 | 729 | ||
65 | 190 | 379 | 442 | 695 | 790 | ||
70 | 204 | 408 | 476 | 748 | 851 | ||
40歳以上 | 50 | 138 | 276 | 322 | 506 | 575 | |
55 | 152 | 304 | 354 | 557 | 633 | ||
60 | 166 | 331 | 386 | 607 | 690 | ||
65 | 179 | 359 | 419 | 658 | 748 | ||
70 | 193 | 386 | 451 | 708 | 805 | ||
女 | 20歳〜39歳 | 40 | 114 | 228 | 265 | 417 | 474 |
45 | 128 | 256 | 299 | 469 | 533 | ||
50 | 142 | 284 | 332 | 521 | 593 | ||
55 | 156 | 313 | 365 | 574 | 652 | ||
60 | 171 | 341 | 398 | 626 | 711 | ||
40歳以上 | 40 | 104 | 209 | 244 | 383 | 435 | |
45 | 117 | 235 | 274 | 431 | 489 | ||
50 | 131 | 261 | 305 | 479 | 544 | ||
55 | 144 | 287 | 335 | 526 | 598 | ||
60 | 157 | 313 | 365 | 574 | 653 |
例 体重60kgの50歳の男性が、10kを1時間ペースで4時間、合計40km走ると、約 2,400 Kcalの消費。 1時間の走行で約600 Kcal の消費。
⇒ 0.92(Kcal/kg/h)×11(METS)×60kg×4h≒2,430 Kcal
【 歩き方による消費カロリー 】
歩くスピード感 | 時速(km) | 消費カロリー (1時間) |
ぶらぶら歩き | 3.0 | 162 |
ゆるやか歩き | 3.6 | 180 |
普通の歩き | 4.5 | 198 |
速 足 | 5.4 | 252 |
全力の歩き | 7.2 | 474 |
山歩き 登り | 2.0 | 600 |
山歩き 下り | 3.0 | 420 |
【 適度な心拍数 】
年代別 | 最大心拍数 | 60% 目安 |
20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 |
200 190 180 170 160 |
120 115 110 100 95 |
※ マラソン シュミレータ
⇒ ⇒ マラソンレースシミュレーター:10kmレースからフルマラソンまで。ペースを計算
※ ジョギング シュミレータ
⇒ ⇒ ジョギングシミュレーター :距離やタイム、カロリーを測定&計算 標高もサポート。散歩のお供にも。
2.【 運動時の体温上昇 】
運動をするとエネルギーは最終的に熱になり、体温の上昇を招きますが、恒常性機能が働き、発汗により冷却され、一定温度に保たれます。体温が限度を越えそうになると、意識が低下、運動強度も低下してきます。
・ 体温約40℃位が限界。
・ 体で最も高温を嫌う器官は脳、次に心臓。
・ 練習を積んだランナーは、走行約40分後に39℃まで上昇、以後一定。 体温上昇率が緩やか。
・ 練習を積まないランナーは、走行約30分後に40℃に上昇、限界に達してしまう。 体温上昇率が急
・ 気温が10℃以下なら空気冷却による放熱が充分で、体温上昇によるスピードの低下の影響はないようですが、20℃を超えると影響がはっきり現れます。
・ フルマラソンの場合、気温30℃では20℃の時より、約20分遅くなるようです。
・ 安静時の成人男子の発熱量は約75Kcal、85W。
・ ジョギング時: 約700Kcal=800W
・ マラソン競技: 約1,100Kcal=1,500W
* 体温調整機能は、約10日間、高温や低温に慣らす訓練を行うことで身につく。
* 運動によっても体温調整機能が増大する。
※ 中性温 : エネルギー消費量が最低になる時の気温で、29.5℃。
3.【 運動時の水分収支 】
フルマラソンなどの長時間の激しい運動を行うと、発汗により水分が失われてきます。汗をかかなくても水分が皮膚から蒸発し、次第に血液濃度が高くなってきます。走行中の水分補給は限られた量しか吸収出来ないため、発汗量が多かったり、事前の体内保水量が少なかった場合は、脱水症状を引き起こしやすくなります。スタート直前に多量に飲んでも胃に負担がかかり、走れなくなってしまうでしょう。マラソン完走するために、水分の管理が重要です。
3−1.《水分補給》
* 約3日前から水分補給を充分行うこと。特に前日はあまり汗をかかないように。
* 暑い時期は特に数日前から細胞内に充分な水分を吸収させておくこと。
* 排尿の量と回数が増加し、尿の色がほぼ無色になるくらい水分補給するとよい。
* 前日、アルコール類は控えること。就寝前にも、水分を採るように。
* 前日、寝汗をかかないように注意する。
* 冬期、就寝時、アンカや暖房の設定温度を上げないように。
* 当日、スタート前、約30分間前までに約600〜1,000ml飲んでおきたい。
* スタート後約10分後から10分間程度、血液中の水分が細胞へ取込まれる為、血液粘土が上昇するので、スタート後約20分間はペースアップしないこと。 すぐにリンパ細胞組織の水分も使われてくるので、血液粘土は低下します。
* スタート後、エイド毎にスポーツドリンク類(塩分0.1%、糖分4%程度)を2倍に薄めるか、水を1〜3口飲むこと。(胃腸の働きが弱る前の、前半は多目摂取)
* 私はマラソン中でのスポーツドリンク飲料は、まずく感じてしまうので、ポケットに梅干とブドウ糖とペプチドタブレットを携行し、給水所で水と一緒にとっています。胃腸にダメージが生じないレース前半に多目に摂取しています。
喉の渇きを感じてからでは、遅すぎます。(ほとんど汗をかいていない状態でも、胃からの吸収速度以上に水分蒸散が多い為)。
いくら飲んでも胃からの吸収速度が遅い為(吸収速度=休憩時約600ml/h、運動時:約300〜0ml/h)。
* 約20分毎に100ml程度は飲んでおきたい。
* 冬期の脱水に注意。
体温が低下すると,水利尿の抑制作用が働き、多尿状態となり、浸透圧が上昇、血液がドロドロ状態となってしまう脱水状態を
引き起こしてしまいます。保温対策をぬかりなく実施することが大切です。
* 夏の高原では特に注意(空気が乾燥していると、水分蒸散が激しく、発汗せずに脱水状態になってしまう。)
* 通常フルマラソンでは約3リットル程度の水分が汗等で失われる。
* 脱水初期状態 = 体重の約2%水分減少。 ⇒ 自覚無し。スピード約6%低下。
脱水初期状態(熱中症:軽症) = 体重の約3%水分減少。 ⇒ 体温調整支障。運動能力低下。けいれん。喉の渇き。
脱水状態 (熱中症:中症) = 体重の約5%水分減少。 ⇒ 熱疲労状態、脱力感、吐き気。
熱中症 (熱中症:重症) = 体重の約10%水分減少。 ⇒ 失神、意識障害、体が熱い。
※ 後半胃がむかつき、水分補給が出来なくなる予防と対処。
@ スタート約30分及びスタート後約30分〜1時間毎に、消化の良い炭水化物系の固形物で、おいしく感じる食べなれたものをほんの一口、50g以下程度、摂取する。
A 胃の活動を促す炭酸飲料を、少量(1 〜 2口)、1時間毎に飲む。
B 脈拍約130以下のペースで走り、キツイと感じたらラン&ウォークを取り入れる。
C 飲み物は胃に優しく吸収し易い温かい飲み物を飲む。
暖かいお茶だとむかついている場合でも、美味しく飲むことができました。
エイドにない時は、自動販売機かコンビネで調達)
D 飲んだ後、10分程度は、ウォークかスローランを取り入れる。
E 事前に胃腸薬(ガスター10)を飲んでおく。
3−2.《喉の渇きの原理》
A 水分不足状態 →血液が濃縮→ナトリウム濃度上昇(血漿浸透圧の上昇→浸透圧が上昇する)
→視床下部の神経核(視床下部の浸透圧受容体)で血液の浸透圧感知 → 浸透圧上昇を感知、2信号を送る
@ ⇒ 視床下部の神経核で、ADH(抗利尿ホルモン)を製造 ⇒脳下垂体へ送る →血液中へ分泌 →腎臓 →
尿細管上皮細胞を刺激 → 水 の再吸収を促進。
A ⇒大脳皮質に喉が渇いたという信号を送信 → → →水が飲みたくなる →水を飲む。
@+Aで、血液の浸透圧が低下、正常値に戻る。
※ 注意
“喉が渇いた”と感じるのは、「水分が減った」という事そのものではなく、ナトリウム濃度の上昇が刺激となって、脳で感じます。ですから、激しい発汗では塩分が多量に汗と共に失ってしまいますので、水分が多く失われている割には、ナトリウム濃度は上昇せず、のどの渇きはあまり感じません。しかし血液はドロドロした状態になっていますので、循環機能低下を起こしやすいです。
したがって、汗をかなりかくフルマラソンでは、ナトリウムを含んだドリンクや梅干などの摂取が大切です。
B 血液量の減少 →ADH(抗利尿ホルモン)を製造 → 同上。
* アルコール類はADHの分泌を抑制、ビールはADHの分泌を抑制及び水利尿の抑制作用があるので激しい運動の前日、当日は控える事。
激しい運動の後は、肝臓が弱るので、アルコール類は控え目に。肝臓を労わりましょう。
3−3.《塩分不足》
* 夏季等、多様の汗をかいて水分だけの補充の場合、少な目の補充でも喉の渇きは収まってしまう。汗と共に塩分が排泄され、血液中の電解質が減少しているため、発刊による濃縮された血液に少しの水分流入でも血液中の塩濃度が回復し、浸透圧センサーの信号が水分不足を認識できない為です。
* “低張脱水”になると脱力感、めまい等が生じ危険な状態になります。
* 痙攣を起こしやすくなる。
* 対策として、スポーツドリンクを約半分の濃度にして飲むことが大切。梅干も非常に有効。
* スポーツドリンクだけでは、濃すぎるため、喉の渇きの解消し難い。吸収もやや遅くなる。
→ 水と交互に飲むか、すこし水で希釈して飲む。
3−4.《 脱水症状 》
(1).“脱水状態” とは
⇒ 身体から水分が失われるだけではなく、電解質も同時に失われた状態」のこと。
・ 正常値(成人では体重の約60%、小児では体重の約80%)以下に減少した状態を指す。
・ 脱水症は、何らかの要因により体内の水分とミネラルの一つであるナトリウム(塩)が不足している状態を指す。
・ 通常、体内の水分の量は一定に保たれている。摂取する水分量に応じて腎臓が尿の量を調節されてるため。
・ 腎臓では、糸球体で血液が濾過され、一日に約150リットルの原尿を生成され、約99%は、尿細管で再吸収され、尿として排泄されるのは1.5リットル程度。
・ 一日に摂取する水分量が増え、摂取する水分量が少なくなれば、濃い尿を作って尿量減らし、体内の水分が減らないように調節される。その限度を超えて、体から排出される水分量が増えたり、摂取する水分量が不足すると、体内の水分が減り、「脱水」が起こる。
・ 脱水症は、汗などで体液が失われた場合、体液の供給が不足した場合に生じる。
・ 水分が失われると、それだけ血液(血漿)の量が減り、血圧が下がります。すると肝臓や消化器といった臓器を巡る血液量が減り、必要な栄養素を配ったり、不要な老廃物を排泄したりする能力がダウン。
・ 脱水症になると、血液の量が減り、血圧が低下。必要な栄養素が体に行き渡らなくなり、不要な老廃物を排泄する力も低下する。
・ 食欲不振、骨や筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、しびれが起こることもある。脱水症が、熱中症のさまざまな症状を誘発する。
・ 発汗による体温調節機構が維持できなくなると、カラダ中の臓器にダメージが及ぶ。 脳へのダメージが顕著で、けいれんや意識障害などが起こることがある。
・ 脳の血流が減ると集中力が低下し、消化管の血流が減ると食欲不振が起こる。
・ 同時に電解質が失われると、体液が濃い部分を薄め、薄い部分を濃くしようとする浸透圧が維持できなくなる。 この作用はナトリウムイオンが多くを担っる。
・ カリウムイオンやカルシウムイオンが不足すると、神経や筋肉に悪い影響が出てきて、脚がつったり、しびれや脱力が起こる。
3−5.《 脱水症の種類 》
@ 高張性脱水(体液の浸透圧が高くなるタイプ)
・ 汗をかいた時に喉が渇くのはこのタイプ。汗をかくスピードが速いほど、汗中の電解質濃度は高くなり、より電解質が多く失われる。
・ 体内の水分だけが不足する状態。 発熱や激しい口渇状態、意識の混濁なども起こすことがある。自分で水分補給ができない乳幼児、高齢者に発症しやすい症状。
A 等張性脱水(体液の浸透圧が正常なタイプ)
・ 下痢や嘔吐のように体液を一気に喪失してしまう時に生じる。
B 低張性脱水(体液の浸透圧が低くなるタイプ)
・ 大量に汗をかいて、電解質を多く失っているのに、電解質濃度の低い飲料や水・お茶などを大量に飲んだときなどに生じる。 のどの渇きはあまり感じられない。
・ 水分と一緒に血液中のナトリウムが不足してしまう状態。 だるさや吐き気、けいれんなどの症状が現れる。長時間のスポーツなど、発汗をともなう際に発症しやすい。
3−6.《 脱水症の程度&対処&予防 》
(1).分類
@ 軽症(一度) : 体重の2%程度までの脱水。
・ のどの渇きを感じたり、食欲が減退する程度。 あまり症状がはっきりしない。 めまい、失神(立ちくらみ)状態を起こす。
・ 水を飲むことで回復できる。 体液に近い濃度の電解質が含まれていたもの。(水の分量の0.9%程度)の塩を加えた水が理想的。)速やかに身体に吸収される。 スポーツドリンクも適している。
A 中等症 : 体重の2〜6 %程度の脱水。
→ 目のくぼみなどの症状から脱水が明らかになる。
頭痛、不快で吐き気がし、身体がぐったりして、力が入らなくなる。 眠気が強まり、ウツラウツラする。
A 重症 : 体重の6 〜10%程度の脱水。
→ 高度の血圧低下、ショック、つねっても無反応、引きつけ、まっすぐ走ったり歩けない。
昏睡といった意識障害などが認められる。
従来 熱射病とか重度の日射病と言われていた。
(2).対処
医療機関で点滴による水分補給を受けた方が、早く回復する。それ以上の脱水の場合には、医療機関で緊急の処置を受ける必要がある。
程度が軽い場合
・ 経口補水用の飲み物が良い。 OS-!等。
・ 味噌汁などは血液とほぼ塩分濃度同一のため、発汗による塩分減少を補うには便利。スポーツドリンクも良い。
・ 体への負担や体内への吸収スピードなどを考えた場合、運動中の水分補給は5℃〜15℃の飲み物が最適と言われてる。
・ 一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質のバランスが崩れ体調不良を引き起こすことあるので、水分補給をする時には、塩分の補給も行うこと。
・ 水分と塩分を同時に補給できるスポーツドリンクや経口補水液、また水や麦茶には、塩や梅干しなどを足して塩分も補給する。
・ 緑茶やウーロン茶に含まれるカフェインは利尿作用があるため要注意。
(3).予防
・ 炎天下で運動すると、多いときには1時間に1〜2・もの汗をかく。運動を始める前には十分な水分摂取を行い、運動前後の体重差が2%以内になるように心がける。
・ のどが渇いてからでは遅すぎる。
・ 摂取した水分が胃から排出されて小腸で吸収されるのには約20分から30分かかる。 少量に分けてこまめな水分補給を心掛けること。(例:50
〜 200mlを15 〜 30分毎)。
・ 水分吸収速度は、「水」は主に小腸で吸収され、吸収までの時間は約30分、吸収速度は1時間に200〜700cc、といわれてる。(食べ物の胃での滞留時間:1〜3時間。)
・ 人間の体液の浸透圧は約(285±5mOsm/L)。
・ 低張液(ハイポトニック)を飲んだ場合、体液の方が浸透圧が高いため、飲み物の水分が体液の方に移動、体内に吸収される。 等張液(アイソトニック)(いわゆるポカリなどのスポーツドリンク)を飲んだ場合、身体が飲み物の浸透圧を体液よりも低くしてから、水分が身体に吸収されるのでハイポトニックより時間がかかる。
・ 胃での消化能力が弱まっているときは、胃酸の分泌が悪い可能性があるので、空腹時に水分をとると、胃酸が薄まることで消化吸収能力が落ちてしまう。 日頃から胃が弱い人は、空腹時を避け、できるだけ食事のあとに水分をとるとよい。
・ 暑熱馴化の練習中でも飲めるのは1時間に1リットルが限界。「スポーツ栄養学」によると、普通の水を400ml飲んだ場合、15分後に60〜70%が胃から排出される。水に炭水化物を加えると、胃から腸への排出速度が遅くなる。
・ 「お茶」や「水」のような飲み物は胃内容排出速度が速く、速やかに小腸に水分が達し、ヒトの体液の浸透圧である「285±5mOsm/L」から極端に低い低張液である為、急速に吸収されますが、あまりにも急速に水分が体内に入ってしまう為、体液が一気に薄まってしまい、結果として体液の浸透圧が急速に下がる事となり、この「体液の浸透圧が低い」という異常事態に反応して、水分を尿として排出してしまうという現象が発生します。これを「自発的脱水」と言い、このような場合では、いくら飲んでも水分補給は飲んだ量の半分しか回復しない事が知られています。
・ より素早い水分補給の為に最適な低浸透圧である「ハイポトニック飲料」が主流となっています。 この水分の吸収に最適な浸透圧は“194mOsm/L”と言われており、「SUPER H2O」とか「激流」、「アミノバイタル」や「ステビア」等が「ハイポトニック飲料」として発売されています。
・ 最適な飲み物は"経口補水液"。塩分と糖分を理想的濃度バランスになるように溶かし、かつスポーツ飲料よりも薄めに調整された特別な水。
・ 経口補液は1回にたくさん飲むのではなく5分に1回、1回につき10cc(赤ちゃん)、30cc(学童)、50cc(大人)と少量を頻回に与えるのが成功の秘訣。
* "経口補水液"のつくり方
→ 水1リットルに塩3g(小さじ1/2)と砂糖40g(大さじ4と1/2)を混ぜて溶かせばできあがり。 ※レモンやグレープフルーツの果汁を加えれば、味もそこそこ良くなるし水分代謝も促せます。
・ 飲酒時はアルコールを代謝するために水が使われる。 ビールは利尿作用の影響で、飲んだ量の1割増しの水分が排出されてしまう。
3−7.《 加齢と水分量 》
身体に占める水分量は年齢とともに変化する。
@ 小児は生まれた時、体重の80%が水分。
A 成人 = 60%。
B 65歳以上の高齢者 = 50%。
※ 《 身体に含まれる水分 》
血液、リンパ液、消化液、組織間液(細胞と細胞の間を満たしている水)などがある。
3−8.《 体液の種類 》
(A) 細胞内液 ・・・ 細胞内に約40%
(B) 細胞外液 ・・・ 細胞の外に約20%
⇒ ⇒ @ 細胞と細胞の間を満たす組織間液。 ・・・ 15 %。
A 血液の液体成分である血漿(けっしょう)。 ・・・ 5 %。
3−9.《 水分収支 》
成人の平均的水分収支。 約 1.5〜2.0 リットル。
(A) 給水 ・・・ 飲み物=1.2リットル、 食べ物=1.0リットル、 体内代謝水=0.3リットル。
(B) 排出 ・・・ 尿・便=1.5リットル、 汗=0.1リットル、 不感蒸発=0.9リットル。
3−10.《 水分補給 》
水分補給のタイミング ・・・ 食事の妨げにならないようにすることが原則で、運動の前中後、入浴前(長く湯につかるなら入浴中にも)、入浴後、就寝、起床時がよい。
・ 飲料水の温度と吸収度
→ 一般的には約15℃くらいの水温が最も吸収が良い。
@ 日常生活時 ・・・ 夏は、5〜15℃の冷たく感じる温度、 冬は60〜80℃の暖かく感じる温度が身体にとっての最適飲料水温度。
A 運動時 ・・・ 10〜13℃が最適値。 マラソン大会では、エイド毎(約30分毎)に、 約 100〜150 ミリリットル づつ飲みましょう。
B 疲労状態時 ・・・ 胃が疲労している時や、マラソン後半の胃の血液補給不足状態時は、暖かく美味しく感じる飲み物を少量ずつ飲むのが最適。
50〜60℃のハチミツレモンティー・ココアなどを、50ミリリットルずつ飲む。
3−11.《 ウォーターローディング 》
・ 計画的に水分補給を行うこと。 カーボローディング的。 細胞内外に充分な水分を蓄えておき、大会に臨む。
・ 大会の前日に1日に1〜2 リットル の水を数回に分けて摂取します。 およそ 250ml〜300 ミリリットルを30分〜2時間ぐらいのインターバルをあけて摂取します。
・ ミネラルウォーターや果糖入りのスポーツドリンクで行うと良い。
3−12.《 飲酒と脱水 》
飲酒は、アルコールによる抗利尿ホルモンの抑制作用によって、尿の排泄の回数が多くなり、脱水傾向となってしまう。 特水分補給の代わりにビールやコーヒーを飲んでも、脱水作用によって逆効果。
4.【 運動時の血液 】
激しい運動を行うと、血液が筋肉部分に集中し、内臓等他の器官にほとんど流れなくなってしまいます。一般市民にとって運動は健康的で、あまり苦しく感じない強度であるべきでしょう。非常に苦しく感じる強度を長時間続けると活性酸素の増大による細胞組織の破壊や免疫力低下、内臓への負担が増大し健康を損なってしまうことになります。心地よい強度か、やや苦しい程度以内の強度で行いましょう。
《 運動時の血液の分布状態表 》
(アンダーソン) | (スポーツ医学入門:文光堂) | |||||
部位 | 安静時血流 | 軽運動 | 中程度 | 最大運動 | 安静時血流 ※ (スポーツ医学入門:文光堂) | |
腹部臓器 | 24 | 12 | 3 | 1 | 25 | |
腎臓 | 19 | 10 | 3 | 1 | 20 | |
頭脳循環 | 13 | 8 | 4 | 3 | 15 | |
冠循環 | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | |
骨格筋 | 21 | 47 | 71 | 88 | 20 | |
皮膚 | 9 | 15 | 12 | 2 | 15 | |
その他 | 10 | 4 | 3 | 1 | ||
合 計 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
・ 安静時は臓器部位への血流が最も多く、特に食後2時間ほどは胃腸と肝臓に集中するようです。
・ 食後約1時間以内は運動を避けたほうが良い。特に胃腸の弱い人は、2時間は避けましょう。
・ ジョギング程度の運動でも、運動中は血液の約7割が筋肉へ集中します。当然胃腸は休憩モードですので、非常に吸収の優れた飲料しか胃腸から吸収されなくなります。
・ マラソン競技中は、せいぜい1時間当たり約100ml程度しか吸収できなくなります。個人差がありますが、発汗時はペースを落として、胃腸での水分吸収率を高めるよう心掛ける必要があります。
※ 運動開始前には準備運動を行い、最初の約20分間程度は軽めの運動強度を保ちましょう。
※ 運動開始直後は、血液循環が不十分で、また血液中の水分が細胞へ取込まれる為、血液粘土が上昇するので、心臓に負担が感じられない軽目に抑えましょう。
※ 冬季、寒い場合は、防寒体制をしっかり装備して走り、暑く感じたら、軽装になりましょう。
※ 夏季、太った人が着込んで走っているのを見かけますが、耐暑訓練にはなりますが、ダイエットにはならないでしょう。発汗による水分量の低下であって、体脂肪の減量にはほとんどなりません。美味しいビールを飲む為なら走行時間を延ばすのが良いのですが。
《 心臓の働き 》
・ 心臓の大きさは拳大、重量は約300gです。
・ 心拍数は1分間に60〜80回(1日に8.6〜11.5万回)1回の拍動で70〜100mLの血液を送り出す。
・ 心臓から送り出される血液量は1分間に4,200〜8,000mL、1時間に252〜420L、1日に6,048〜10,080L、1年では2,190〜3,650トン。
・ 肺循環(小循環)は心臓→肺動脈→肺→肺静脈→心臓の一連の流れ。 1周する時間は約5秒です。
・ 体循環(大循環)は心臓→大動脈→動脈→毛細血管→静脈→大静脈→心臓の一連の流れです。 1周する時間は安静時:約1分、運動時:約20秒です。
・ 動脈では動脈自体の拡張・収縮、また静脈では筋肉の拡張・収縮のポンプ作用が補助する。
* 血液循環に要する時間
心臓から体内をめぐり心臓に戻る時間は、安静時、約1分、 運動時、約15秒。
* 体の身体の血管は、動脈・静脈・毛細血管の三種類。 毛細血管を含め、この全ての血管を繋ぎ合わせると、その長さは地球二週半、約10万キロにも及ぶと言われます。
《 運動時の自律神経 》
・ 「自律神経」は食後、“副交感神経緊張型”になる。
〜 インスリンが分泌され、吸収された糖がグリコーゲンに合成され、貯蔵される。インスリンは脂肪の燃焼を抑制する。
・ 「自律神経」は運動時、“副交感神経緊張型”になる。
〜 循環系が活発になり、グリコーゲンが分解、エネルギーを消費する状態になる。
・ 食後に運動すると、自律神経が相反する要求が同時になされ、調子を崩しやすくなる。
5.【 運動の効用 】
一般庶民が最も簡単に行える運動としてウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をある程度継続していくと、体に良い影響が現れてきます。
@ 体力が増強される。
→ 筋力が付き、持久力が増強され、グリコーゲンも増加し、日常生活で疲れにくくなる。
→ 日常生活での事故予防に役立つ。(つまずき、転倒、咄嗟の対応)
A 体質が改善される。
→ 体脂肪が減少、スタイルが良くなる。
→ 善玉コレステロール増加により、高血圧の予防になる。
→ 新陳代謝が活発になり、基礎代謝が増加し、太りにくい体質になる。
B 生命維持の諸器官の機能が増強される。
→ 呼吸・血液循環を初め諸器官の機能が回復。
→ 病気の予防、改善に大いに貢献。
→ 組織活性化し、若返る。
→ 血糖値の改善、糖尿病予防になる。
→ 血液がサラサラになり血液循環が良くなり、毛細血管が発達する。
→ カゼの予防。 ガンの予防。
→ 特に心肺機能が増強される。 最大酸素摂取量が増加。
→ 心臓自体も鍛えられ、拍出する血液量が増加する。
→ 心臓負担軽減で心筋梗塞等の予防、 動脈硬化の予防になる。
→ 冷え性が改善。
→ 血液循環活発化により、消化器系、内分泌系機能が好転、心因性の消化不良などにも効果的。
→ 体内への酸素の取り込みが盛んになり、血液の循環が良くなる。
→ 毛細血管の発育が高まり末梢にまで酸素が行き渡る。
→ 高血圧が改善され、冷え症も改善される。
C メタボリックシンドローム(代謝症候群)を予防・改善できる。
⇒ ⇒ 生活習慣病の三大要素(高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常)と内臓脂肪蓄積型肥満のこと。
→ 肥満、動脈硬化、高血圧症などの生活習慣病の危険因子を低下。
“内臓脂肪型肥満” : 内臓脂肪面積=100cm2以上。 腹囲の測定により代用し、男性85cm以上、女性90cm以上の場合。
“高血糖” : 空腹時血糖110mg/dL以上。
“高血圧” : 収縮時血圧130mmHg以上か拡張期血圧85mmHg以上のいずれかの場合。
“高脂血症” : 血清中性脂肪150mg/dL以上血清HDLコレステロール値男性40mg/dL未満 。
D 筋肉量が増加しインスリン感受性が高まる為、高血圧・高脂血症・糖尿病などのリスクが低下する。
E 筋肉が増加すると貯蔵されるグリコーゲンが増えるため疲れにくくなる。
F 筋肉量が増えると基礎代謝が増えて太りにくくなる。
G 有酸素運動により体脂肪が燃えて、ダイエット効果に優れ、健康的に痩せる事ができる。
H 有酸素運動で、活性酸素を減らす効果がある。
I 運動をしているとHDL(善玉)コレステロールが増え、血圧低下の効果がある。
J 骨密度が増加、骨粗鬆症の予防になる。
K 運動機能が維持増進され、バランスが安定して転倒しにくくなる。
L 足腰の筋肉が鍛えられ、若さを保つ基本が維持される(老化は足から)。
M 疲労物質除去能力が向上し、疲労回復が早まる。疲れにくくなる。
N 自律神経の働きがバランス良く働く。
→ 交感神経の緊張を和らげ、気分をリフレッシュする。
→ 精神的ストレスの解消。
適度な疲労によって、よく眠れる効果がある。有酸素運動をすると運動中は交感神経が優位になるがその後は副交感神経が優位になる。
O 脳活動が活発になる。
→ Ex:ウォーキング → 脳幹刺激 → ドーパミン分泌 → 大脳前頭連合野覚醒 → 頭脳の活性化。
近年の研究では走ることによって脳細胞が増えるという結果が発表されています。 走ることは脳の活性化にも役立つと言われています。
P ストレス解消に効果的。
→ 脳のβ-エンドルフィン(脳における痛みの神経伝達物質で、増加することで鎮痛作用がある)が増加し、気持ちがリフレッシュする。
※ 「1 日に 30 分程度」 「週に 3 回以上」, 何らかの運動をすることが間違いなく健康増進に繋がる。 脈拍数が少し増えるくらいの運動が基本になる。
* 走ることによって肥満や運動不足が原因となる生活習慣病の予防となります。 癌, 心臓病, 脳卒中, 認知症などの予防となる。
* 血行が良くなって身体の隅々まで血液の流れが行き渡り、高血圧や動脈硬化の予防にも役立つ。 走ることを習慣化すると毛細血管が発達し、身体の隅々まで酸素が行き渡るようになり、一つ一つの細胞が活性化し、身体すべてが健康な状態になる。
注意
* 無酸素運動をやりすぎると、活性酸素が生じ、細胞を傷つけ多くの点でダメージを生じる。運動後は疲労が残り、ストレスがたまる。
* “スロー運動”が健康維持に非常に効果的。
*** その他 健康増進、身体機能の向上の他、精神的分野の効用以外に、個人の範囲を超えて、家族や友人、親類縁者、しいては社会全般、人類全般に良い影響を生じさせます。 多大なメリットがあります。
5−1 《マラソンの効用》
・ フルマラソンのような持久的・有酸素的運動を定期的、継続的に行うことは、身体内部の多くの機能を刺激し、活性化することで老化防止に役立つ。
次のような病気予防・改善効果がる。
・ 循環器系の病気 ・・・ 高血圧、心臓病(狭心症や心筋梗塞)、脳卒中。
・ 代謝系の病気 ・・・ 糖尿病、痛風、肥満、高脂血症。
・ 骨関節系の病気 ・・・ 骨粗鬆症、変形性膝関節症、変形性股関節症、骨折(転倒予防能力が高まるため)
ランニングなどの運動には、骨にカルシウムを沈着させる効果があるため、骨粗鬆症の予防に有効。
・ 筋肉痛回復には、たんぱく質が分解された状態(アミノ酸)で摂取した方が、より速やかに体内に吸収され、筋肉痛の早い回復につながる。
・ 理想的な減量法 ・・・ 運動をせずに、摂取カロリーだけを減らしてた場合は、脂肪だけでなく、筋肉までも減り、基礎新陳代謝が低下、結局太る体質になってしまう。 運動で筋肉が増えると、基礎代謝が増加し、寝てる間にも脂肪燃焼が増え減量効果がある。
⇒ ⇒ ランニングでは、1km走るのに、体重1kgあたり1kcal消費するといわれます。
体重50kg、1kmランで50kcalの消費。∴ 体重50kgの人は140km走る毎に脂肪を1kg減らせる。
・ 脂肪が落ちて全身が引き締まり、動作が機敏、新陳代謝が活発化、肉体年齢が若返る。
・ 精神力の向上 ・・・ セルフコントロールしながらフルマラソンを走りきることで、目標を達成。 → “自立心”、“積極性”等が向上する。
・ 精神的ストレスの解消に効果的。
* ランニング・ジョギング・マラソンの定義
・ ランニング・・・走ること。
・ ジョギング ・・・ 時速 6.4km未満での走り。
・ マラソン ・・・ 時速 6.4km以上での走り。
(1).心肺機能の向上
・ 肺胞の表面積の合計は、約60〜70m2。 肺胞の厚みは、0.2〜0.6μm。 酸素と炭酸ガスの交換が容易。
・ 外呼吸 ・・・ 肺で行われるガス交換。
・ 内呼吸 ・・・ 細胞と毛細血管で行われる、ガス交換。
・ 安静時呼吸量 約 500ml/回。 呼吸回数 約12〜15回/分。 ∴ 6〜8リットル/分。
・ マラソンランナーの呼吸量 約 180リットル/分。
・ 全血液量 ≒ 体重 × 8%。
・ 心臓 ・・・ 約2250〜300g
・ 血液心拍出量 約5〜6リットル/分 一般人安静時。
・ 〃 約30 〃 スポーツマン、運動時。
・ 心拍一回当たりの血液吐出量:80ml、スポーツマン:180ml。
(2).筋肉量増加
・ 持久系トレーニングにより、筋肉の毛細血管の増加、ミトコンドリアの増加と機能アップ、ミオグロビンの増加によって、筋肉への血液供給量の増加、酸素の摂取効率の向上が得られる。
・ 毛細血管が発達することで、ミトコンドリアが増加する。。
・ 筋肉のエネルギーとして必要なATPがミトコンドリアによって糖質や脂肪から分解、生産されるりょうが増加するので、その分、運動能力が向上する。
・ ミオゴロビンも増加するので、ヘモグロビンによって運ばれた酸素を筋肉中に貯蔵する量が増加、その分運動能力が向上する。
(3).筋肉の機能向上
・ ミトコンドリアの増加によって、基礎代謝が増加、その分免疫機能も向上、肥満予防効果大。
※ 軽い運動を10分間するだけで認知機能は向上する
・ 低強度の運動が課題遂行に必要な脳部位同士のネットワークを一過的に高め、実行機能を向上させるうえで効果があることを示すものだと
・ 軽い運動を10分間するだけで認知機能は向上する。
・ 最大酸素摂取量の50%の運動(中強度運動)で得られていた実行機能を高める効果が、同30%の軽運動でも十分に享受できることが示された結果であり、これにより体力のない高齢者や疾患者などを対象とした認知症予防目的の運動処方の開発が進むことが期待されるとコメントしており、今後は、健常高齢者や軽度認知症高齢者(認知症予備軍)を対象に、一過性の軽運動の効果の確認や、長期的な効果の検証などが課題になってくるとしている。
⇒ 軽い運動を10分間するだけで認知機能は向上する! - 中央大などが確認 マイナビニュース
※ ランニングは認知能力を向上させる
・ アリゾナ大学の研究チームが、長距離走の選手と全く運動しない人の脳を比較しました。すると、長距離選手たちの脳は「計画、抑制、監視、注意の切り替え、マルチタスク、運動制御を含む」認知機能にかかわる領域が非常に活性化されているとわかりました。
・ 「深い思考」にかかわる脳の領域が活性化。
・ 「空想」にかかわる脳の領域が低活性。
⇒ ・ ランニングは認知能力を向上させる:研究結果 | ライフハッカー[日本版]
※ 脳トレに有酸素運動をプラス 認知機能と記憶力が向上
・ 米テキサス大学の研究成果。 〜 有酸素運動群は脳トレ群より記憶力を司る海馬領域の血流量が増加。長期・短期記憶力のパフォーマンスが増大した。認知症予防に運動が欠かせないことを、改めて裏付けたといえそうだ。
・ 「脳血流量は加齢とともに低下するため、脳トレに有酸素運動をプラスした効果は、数十年分の若返りにも相当する」としている。
⇒ 脳トレに有酸素運動をプラス 認知機能と記憶力が向上|男の健康|ダイヤモンド・オンライン
5−2 《スロートレーニング》
・ 手軽に行える割には、筋力アップやダイエット効果も大きいと注目される「スロートレーニング」(スロトレ)。
・ “スロー運動”が健康維持に非常に効果的。
・ 静的筋収縮運動(等尺性筋収縮)。
・ スロートレーニングは最初に遅筋、次に中間筋、次に速筋のパワーを引き出す動作になっているので、この動作によりすべての筋肉をバランスよく鍛えることができる。
・ 素早い動作のウエイトでは速筋のみが鍛えられるが他の筋肉の鍛錬が十分になされないため動作が逆に鈍くなることがある。
・ スロートレーニングの動作は一回当たりは時間をかけながら行うが、素早い動作でのウエイトほどの回数をこなす必要はなく、結果的には短時間でのトレーニングですむ。
・ 遅筋の鍛錬は基礎代謝率を上げ、体脂肪の燃焼に非常に効果的であるため、引き締まった身体を造るのに適している。
・ ポイント ・・・ ひざを曲げきったり、伸ばしきったりせず、運動の間中ずっと筋肉の緊張を保つ。
・ 収縮した筋肉の圧力で血流が制限(血の流れをわざと悪くする)され続けると、実際にかけた負荷(重量)以上に、より高い効果が得られる。
・ スロトレでは通常の方法より成長ホルモンの分泌が活発になり、最大筋力の半分の負荷で、最大筋力に近い負荷で行ったときと同程度の効果が得られる。
* メカニズム : 筋肉内の血流を制限し続けると、比較的軽めの負荷でも乳酸などの運動に伴って生じる物質が大量にたまり、『激しい運動をした』と体は思いこむ。
→ その信号が脳に送られると、筋肉を修復しようと、成長ホルモンの分泌が活発になる」。
* 脂肪を燃やし、減量したいという人には、ウオーキングなどの有酸素運動との組み合わせが効果的。
; ⇒ 先にスロトレを行うこと。 分泌された成長ホルモンの効果で、脂肪分解が進み、その後、有酸素運動に移った際に脂肪燃焼効果が大きくなる。
* 運動の前後には、「ストレッチ運動」を行って、運動で使う筋肉を十分に伸ばしましょう。これは、筋肉疲労の予防や回復、あるいは、事故防止に役立つほか、体の柔軟性の向上に役立ちます。
* 運動の成果は、ある程度の期間、運動を継続的に行って初めて現れるので、長期間継続すること。
※ 一日30分(10分の運動を3回で、合計30分でも可)、週3日以上の運動量推奨。
※ 自分に合った運動量にする。 心地よい疲れを感じる程度。
※ 運動の前には十分な準備体操を、運動の後には整理体操をして筋肉の疲れをとりましょう。
(NHK ためしてガッテンより)
5−3 《アイソメトリック トレーニング》
・ アイソメトリックスとは、筋肉の長さを変えずに力を加えることによって、筋肉を鍛え、筋力とともに代謝をアップさせるトレーニングのこと。
・ アイソメトリックは静的な筋トレ。
・ 道具もいらず場所も選ばないので、気軽に短時間で鍛えることができます。
・ ポイントは「押したら引くこと」と「呼吸を止めないこと」。
・ 「鍛える箇所を意識しながら力を入れて動かさずに7秒キープすること」。
・ 筋トレとは、筋肉に力を入れ、一時的に血流を滞らせることにより、筋肉を疲労させ、その後の疲労回復により、筋繊維が太くなり、以前よりも、強い体、締まった体を作る事ができる。
・ アイソメトリックは体の動作が伴わず、運動の動作に近い形で筋肉を鍛えることができない。 「運動に必要な動き」に対する疲労を実感できず、アイソメトリックは運動選手には役立たない。
(〜フリー事典等より)
5−4 《体脂肪率》
* 体脂肪率
低い | 適正 | やや高い | 高い | |
---|---|---|---|---|
男子 | 15未満 | 15 〜 19 | 20 〜 24 | 25以上 |
女子 | 20未満 | 20 〜 24 | 25 〜 29 | 30以上 |
参考HP 【健康ダイエット運営局】のHP ⇒ ⇒ 体脂肪率を計算(測定)し、肥満度(BMI)をチェック!
* 体格指数 BMI = 体重(Kg) ÷(身長(m))÷(身長(m))
体 型 | 痩せ | 普通 | 肥満度 1 | 肥満度 2 | 肥満度 3 | 肥満度 4 |
---|---|---|---|---|---|---|
BMI | 18.5未満 | 18.5〜25未満 標準 : 22 |
〜30未満 | 〜35未満 | 〜40未満 | 40以上 |
参考HP 【肥満と健康】のHP ⇒ ⇒ BMI判定
〃 ⇒ ⇒ 体型シミュレーション
D 免疫力が強化される。
〜 自然治癒力が発達し、病気になり難くなり、なっても回復力が強く早目に治癒する。
E 精神的リラックス、ストレス解消、その他の効果がある。
5−5 《 体重のコントロール 》
エネルギー収支がプラスになり続け、余分な熱エネルギーが脂肪となって体重が増加してしまう。
“食事療法”
食事からのエネルギー摂取量を減らす。
@ 毎日 400 Kcal減量 ⇒ 毎食腹八分目、高脂肪食品半減。 1月間実施 ⇒ ⇒ 約 2Kg 体重減量。
参考HP * 「KK ツツミ」 ⇒ ⇒ 食品エネルギー早見表
* 「200Kcalの食品」 ⇒ ⇒ What Does 200 Calories Look Like
* 東京ガス:食の生活110番Q&A: 100kcalの食品とそれを消費するのに必要な運動量
* ビール 500ml=200 Kcal 日本酒 1合=200 Kcal ご飯1杯=200 Kcal ショートケーキ 1個 ≒
400 Kcal
“運動療法”
A 毎日 400 Kcalエネルギー消費 ⇒ ジョギング(時速8Km)を1時間、毎日、1月間実施(食事の量変えない場合) ⇒⇒ 約 1.5
〜 2 Kg 体重減量。
・ 食事療法のほうが減量効果はすぐに現れれますが、栄養バランスに充分注意が必要。
・ 食事療法は体力低下や身体機能の低下に注意が必要。
・ 運動療法は、減量効果が現れにくい、初期のみ減量してきますが、一定以下にはなり難い。
・ 運動療法では体重が一定になってからも、身体機能の向上が継続し、健康維持増強に効果的。
・ 両者のメリットをうまく生かした療法が効果的。
6.【 健康に良い運動 】
一般庶民が最も簡単に行える運動としてウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をある程度継続していくと、体に良い影響が現れてきます。
6−1 《 適度な運動強度 》
健康に良い運動は、“有酸素運動”で、免疫力を高め、生活習慣病予防に効果的です。
※ 全身持久力強化
⇒ ⇒ 最大酸素摂取量の50〜70%の強度で行うのが効果的。 30分程度以上1時間位で週3日〜6日実施。
※ 最大酸素摂取能力UP ⇒ ⇒ 最大酸素摂取量の80%の強度で行うのが効果的。
* 無酸素運動 @ 乳酸性無酸素運動 ・・・ 最大酸素摂取量の80〜90%の強度
A 非乳酸性無酸素運動 ・・・ 最大酸素摂取量の95〜100%の強度
@ 年齢別、運動強度と心拍数、必要時間
運動強度 | 1日の運動時間 分 |
|||||
最大酸素摂取量 | 心拍数 | |||||
20才〜 | 30才〜 | 40才〜 | 50才〜 | 60才〜 | ||
40% | - | - | - | 104 | 100 | 45〜60 |
50% | 130 | 125 | 120 | 115 | 110 | 30〜45 |
60% | 144 | 138 | 132 | 126 | 120 | 20〜30 |
70% | 158 | 151 | 144 | 137 | 130 | 15〜20 |
80% | 172 | 164 | - | - | - | 10〜15 |
* 池上春夫:スポーツ医学より |
A 自覚的 運動強度と心拍数
運動強度 | その他に感覚 | ||||||
最大酸素摂取量 | 強度の感じ方 | 心拍数 | |||||
20才〜 | 30才〜 | 40才〜 | 50才〜 | 60才〜 | |||
100% | 最高にキツイ | 190 | 185 | 175 | 165 | 155 | 身体全体が苦しい45〜60 |
90% | 非常にキツイ | 175 | 170 | 165 | 155 | 145 | 息が詰まる、若干言葉が出る |
80% | キツイ | 165 | 160 | 150 | 145 | 135 | 続かない、やめたい |
70% | ややきつい | 150 | 145 | 140 | 135 | 125 | どこまで続くか不安、汗びっしょり |
60% | やや楽 | 135 | 135 | 130 | 125 | 120 | いつまでも続けられる、汗が出る |
50% | 楽 | 125 | 120 | 115 | 110 | 110 | 汗が出るか出ない |
40% | 非常に楽 | 110 | 110 | 105 | 100 | 100 | 気持ちが良いが、もの足りない |
30% | 最高に楽 | 90 | 90 | 90 | 90 | 90 | もの足りない |
20% | 〃 | 75 | 75 | 75 | 80 | 80 | 〃 |
* 佐藤祐造編 : 生活習慣の予防と運動より |
6−2 《 適度な運動時間 》
消化器系への影響、血糖値の上昇、過剰なブドウ糖の脂肪への蓄積防止を考慮すると、運動するのに適した時刻は、食後1時間以上経過してからの時間帯。
* 10分間の中程度の運動 ・・・ 1単位=80Kcal 軽いジョギングを20〜30分行うと、約180〜240Kcal。
6−3 《 適度な運動頻度 》
* トレーニング効果は、3日で、低下し、1週間で消失するので、3日に1回、週2〜3回、1回当たり10分以上30分〜1時間の有酸素運動が適当。
* 日常生活で工夫する。 階段利用、1万歩の歩行で300Kcalの消費。
7.【 究極の健康法=呼吸法 】
一般的に言われている健康法。
@ 栄養バランスのとれた食事をする。
A 適度に運動をする。
B 良好な睡眠を摂る。
C ストレスを貯めない。笑いのある生活。
∴ 規則正しい生活。 積極的なストレス解消法を持つ。 クヨクヨしない、光明思想に徹する。
⇒ ⇒ 『病は気から』といわれているように、“気”をポジティブに保つよう意識しましょう。
以上の他に、最も効果のある健康法は、
⇒ ⇒ ゆっくり深い呼吸。 * ヨガの呼吸法などが該当。
《 呼吸 》
* 一生の間に、約6〜7億回も息をすると言われている「呼吸」ですが、呼吸は、生を受けてから死の瞬間まで続けられ、生を象徴するもの。
* この世に生命が誕生してから、肉体から魂が離れるまで「息をひきとる」という言葉があるように、この世に生きている間ずっと息をし続けています。
* しっかり、息を吐き出して、吸うことが大切。 体中にしっかりと酸素をいきわたらせて、二酸化炭素を出す意味において、深い呼吸がとても大切。
* 呼吸の働きは、酸素と炭酸ガスのガス交換だけでなく、プラーナ、つまり生命エネルギーを取り込み、心身の活動機能を活発化し、心の調和を維持していくためにも大切。
《 呼吸法 》
* 呼吸法は、「胸式呼吸」、「腹式呼吸」、「逆腹式呼吸」、「丹田呼吸」、「密息」・・・などなど、細かく分類すれば何百種類もある。
呼吸法を真剣に継続的に日常生活に習慣的に実践していけば、素晴らしい効用が体得出来る。
⇒ ⇒ 免疫関連細胞が活性化する。 生活習慣病が予防できる。
自然治癒力が高まり、健康な身体に戻ろうとする働きが促進され、健康を回復する働きが活発になる。
呼吸法によって、
@ 「脳をリラックスさせる」
A 「自律神経のバランスを整える」
B 「免疫力を高める」
C 「血液の循環を良くする」
D 「内臓の働きを高める」 など、その効果が、近年次々と科学的に明らかにされてきている。
E 息は「霊性」・「スピリット」・「生命エネルギー」であり、正しく呼吸することで、体内に生命エネルギーの大きな「場」「空間」をつくりだすことができ、その内側の「自己」が、外側の「宇宙」に大きく働きかけ、いままでの自分の力を超えた力を発揮できるようになる。
・ 宇宙の神秘的な気を吸っていると意識して「意図」すればそれだけでクオリティが変わっていく。
* 気功の呼吸 ・・・ ゆっくりと鼻から吸い込み、口から吐く。 吸い込む時に、宇宙エネルギーの真っ白い光を吸い込み、吐き出す時は、自分の中の汚れが黒い煙と共に出て行くとイメージする。
* 深い呼吸に導く補助手段 例
@ リラックスできる静かな場所で、楽な姿勢・背筋を伸ばした姿勢で行う。
A アロマの香りを部屋に漂わせたり、お香を焚く。
A 自然音のCDや、好きな音楽を聞く。
B 公園や森林、海岸などで、自然からのエネルギーを得るようなつもりで呼吸すると、さらに効果的。
《 丹田呼吸 》
・ 「丹田呼吸」は気功の最も重要な呼吸法。
・ 丹田呼吸で、宇宙の周波数にチューニングする。
心がネガティブに傾いたときなど、この「丹田呼吸」を行うと不思議と心が静まりリフレッシュできる。
⇒ @ 丹田呼吸は、まず「吐く」のが先。 丹田(へそ下4~5cmくらいのところ)に意識を集中して、下腹が凹むくらいに口から息を吐ききる。
A 息を吐ききったら、自然と鼻から息が吸う。 吸い込んだ空気で丹田が膨らむように吸う。
B この呼吸をゆっくり3回程繰り返す。
《 幸せ呼吸法 》
* 幸せを吸い込み、ストレスを吐き出すイメージで、ゆっくりとした深い呼吸を行う。
* 『息をゆっくり吸って、私は静か、 息を吐いて、私は微笑む このいまに生きることこそが 私には、すばらしい一瞬(ひととき)』と意識しながらのゆっくりとした深い呼吸法。
* 『 @ つらい思い(マイナスの思い)を吐き出し、 A 「それでいいんだよ」(肯定)の思いで、息を吸う。』
* 幸せになれる呼吸法を継続しておこなっていると脳波が変化していきます。
心が分散して乱れているベータ波から、心が一つのことに集中しているアルファ波へ、さらに集中を超えて完全に解放されているシーター波の状態へ変化していきます。
シータ波の状態というのは、日常的なものすべてから解放された、まったく欲望のない状態です。
シータ波の状態は、すべてにおいて完全な状態であるので、既にすべての事が成就している状態と言っても言い過ぎではありません。
そのような状態になると、私たちは最高の幸せの道を歩むことができるようになります。
また、シータ波の状態では「生体恒常性」ホメオスタシスが活性化します。 (〜幸せ呼吸法、フリー事典等より)
《 究極の呼吸法 》
* 呼吸法は最高の生命エネルギー充電法。 世界中で最高の薬や医者よりも効果的。
※ 量子力学の観点からも、氣の科学からも解明されつつある。
《 正しい呼吸 》
・ 正しい姿勢で、ゆっくり・深い呼吸。
・ 吸う、吐く共に鼻から行う。
・ エネルギー的には吐く息が大切、吸う時より吐く息に意識を集中し出来るだけゆっくり吐く。
・ 腹式呼吸。
・ リラックスした状態を保つ。
・ 長い呼吸 → 長生き。
〜 1分間に3回以下の呼吸。
≫≫ 脳の活性化、アルファー波出現、エンドルフィン、セロトニン分泌量増加、瞑想状態等を体得。
人体約60兆個の細胞の活性化。
10万個×60兆個のDNAのスイッチが“OFF”→ “ON”状態になる。
生命エネルギーの増大。ネガティブ思考の消滅、ポジティブ思考の増大。
血液が浄化される。
∴ 1日1回約3〜5分間、1分間に3回以下のペースの呼吸が出来るように練習しましょう。継続していくと次第に効果が表れます。
【 吐く息の重要性 】
・ 肺臓の奥に滞ってしまう残存空気の増加を出来るだけ減らすため、吐く息を多くした後、新鮮な空気を吸い込み易くするのに吐息が重要。
⇒ 残存空気を減らす。
⇒⇒ 腹式呼吸で充分息を吐き切る。
・ 肺臓の一つ一つの肺胞における酸素と炭酸ガスの交換効率を高める。
肺胞の数 −−− 約3〜8億個。 内表面積 : テニスコート程度(約11×24=264m2)
ガス交換に要する時間 −-- 約 1秒間
・ 浅い呼吸の継続で、肺胞中の酸素濃度の薄い空気が増加、換気不足による酸素不足に陥る。
・ 無意識状態では、全肺胞の約20%のガスが出入りしない。
・ 呼気中の酸素濃度は、約16%程度。つまり約5%分の酸素を取込んでいます。
・ 体内毒素を排出する。
DNAに刻印されている究極の真理(すべての生命が神の意思と強く結ばれている真実)に気づく。
・ 「呼吸法による印」 =宇宙の生命力、気、パワーを吸収し、肉体細胞に取り入れることで、調和した肉体を維持してゆくもの。
・ 呼吸とは、魂と肉体を結ぶ架け橋。
・ 呼吸で“生命素”、“宇宙子”、“プラナ”が体内に入り物質エネルギー、物事をなすエネルギーに変換される。
《 ウジャイ呼吸法 》
・ アシュタンガ ヨガで行う呼吸法.、ヨガを行う上で重要な呼吸法(調気法)の一つ。「ウジャーイー呼吸法」「勝利の呼吸法」とも呼ぶ。
・ 胸式呼吸で行い、お腹をへこませたまま、鼻だけで呼吸をする。その際、吸う時も吐く時も同じ長さで行う。
・ 舌は前歯の裏側に軽く付け、喉の気管を細くするようなイメージを持つ。
・ 気管の中に空気が通るのを感じながら呼吸をすると、喉の中を「スースー」と音を立てながら空気が移動し、その音でアサナに集中することができる。また、内臓を活性化させる働きがある。
・ 鼻だけで呼吸する。 深い胸式呼吸。
・ 喉の後ろを呼吸が通るようにし、呼吸の音ひびきを出し、その音を聞き落ち着くようになる。
・ 呼吸音はマントラと同じ効果がある。
・ 腹筋を常に背骨の方に引き付ける。おへそが背中にくっ付くイメージ。(ウディヤナ・バンダ)
・ 恥骨と尾骨の間の括約筋を常に引き締める。(ムラバンダ)
・ お腹をできるだけ動かさない。
・ 肋骨の中に風船が入っていて、膨らんだり縮んだりするイメージで胸式呼吸を。
《 宇宙呼吸法 》
* 宇宙の気を吸い込む方法。
※ ( 超細胞革命)より
・ 宇宙以上に偉大なものはなく、宇宙以上の真理はありません。 宇宙にすべてを任せたという気持ちになると、心が落ちついてきて、どんなことがあっても腹が立たない。 心配しない。 不安にならない。動揺しない。 リラックスしてくる。常に心は平静で不動心を持てるようになります。 そういう心ができてしまうと、「無心」ということになります。 宇宙に全部任せることです。 とにかく自分でベストを尽くし、あとは宇宙に任せて最善を期待する、確信する。 そうすると、心が一気に楽になっていきます。そしてよい結果が得られるのです。
* すべての出来事はよくなるための前兆。
・ 宇宙を信じるということ。 ・・・ 自分が自分の力で生きているのではなくて、宇宙によって生かされているという認識を持つことです。
・ 宇宙は二重構造になっていて、人間が見たり触ったりできるこの世界(明在系)と、全然見えない世界(暗在系)の二つに分かれているといわれます。
・ 体は見えるが心というものは見えない。それと同じように、宇宙も見えないところと見えるところがあるわけで、その見えない世界に宇宙の心があって、その心を超宇宙意識というのです。
・ その超宇宙意識によってこの世の中はすべてが支配され、秩序づけられています。
・ 自分も宇宙の意識によって生かされているということに気づく必要があります。
・ だから、例えば自分が失敗しても悩む必要はありません。 宇宙意識が決めたことなのです。あなたはそれを経験して、「もっと磨かれなさい」という意昧なのです。
・ 他人のせいでもないし、自分のせいでもない、宇宙意識の中の意味の場のせいだと思っていればよいのです。
・ 大事なことは、宇宙を完全に信じきるということです。 すべてを宇宙に任せることです。 そして最善の結果が出ることを確信し、ベストを尽くす。 すると、不思議なことになにもかもうまくいき始めるのです。
* 息をゆっくりと吸いながら “あいしている”と唱え、吸い切ったら息少し止めた後、息をゆっくりと吐きながら “ ありがとう”と唱える。 これをゆっくりと繰り返す。
大宇宙のエネルギーと「本当の自分」とが直結していくイメージを抱きながら、呼吸を続けます。
8.【 アンチエイジング運動 】
《 老化とは 》
・ 老化(ろうか、英: ageing、aging)とは、生物学的には時間の経過とともに生物の個体に 起こる変化。その中でも特に生物が死に至るまでの間に起こる機能低下やその過程を 指す。
・ 加齢に伴って活力や生体 能力が低下する傾向をいう。老化による身体変化は成熟期に達したあと,40歳くらい から始り,皮膚のシワ,頭髪や歯の脱落,視力や聴力の低下,運動機能の低下などが みられる。
・ 老化とはDNAの情報が劣化すること。
・ 老化は、活性酸素によるカラダの錆びが原因のひとつ。
・ 活性酸素は、カラダのあらゆる部分を酸化させる原因物質。 肌のシワや、悪玉コレステロールの増加も、この活性酸素がひとつの原因。
・ 40歳台以降、日々カラダの中で生まれる活性酸素を自然に取り除く“抗酸化酵素”のパワーが、急激に減少してしまうから。
・ 個々の細胞のレベルでみると老化は生まれた直後から始まる。
・ 若い頃は機能の低下した細胞は取り除かれて新しい細胞が補充され、組織としての機能を保つことにより老化は防がれる。
・ 年齢と共に細胞を取り替えるスピードが遅くなったり、取り替えること自体ができなくなると組織の機能が低下し徐々に老化が進行していく。
・ 老化のスピードは生活環境によって変化する。
《 老化の原因 》
@ 活性酸素による酸化
・ 活性酸素が、細胞を構成する脂質などを傷つけ、「体のさび」が徐々に進行。
・ 活性酸素を無害化する酵素も、加齢とともに減少。
・ 活性酸素が発生すると、それを抑えようとして体内に抗酸化酵素がつくられる。ところが、この抗酸化酵素は加齢とともに生成量が減ってしまうため、活性酸素に対抗しきれなくなる。
A タンパク質の糖化
エネルギー源である糖が、体を構成する主成分であるタンパク質を変化させる。
その結果、細胞や酵素などの働きが悪くなり、体の機能低下につながる。
B ホルモン分泌の変化
若さを保ち、免疫力を維持するDHEA、筋肉量や筋力の維持に関わる男性ホルモン(女性の体内にもあります)、睡眠に関係するホルモン(メラトニン、セロトニン)の分泌が、ストレスが原因で下がり気味になり、さまざまな不具合が生じる。
・ 成長ホルモンの分泌量の低下。
成長ホルモンは、細胞分裂を促進し、体中の組織を成長させるホルモンであり、成長期を過ぎた大人にとっても、古い細胞を再生させて若々しい体を保つために不可欠なホルモンです。
また、エネルギー代謝にも重要な役割を担っているので、体力維持にもなくてはならないホルモンなのです。
ストレスが原因で、「若返りホルモン」DHEAや男性ホルモンなどの分泌が減る。
・ 肝臓は、活性酸素が多く発生しやすい場所。 活性酸素を除去する抗酸化力が不足していると、肝臓の機能が低下し、疲れやすい、肌の調子が悪いなど、カラダ全体に影響が及ぶ。
・ 老化を防ぐためには、まず肝臓を元気にする必要がある。
・ 食事の改善。喫煙や暴飲暴食など、体内の活性酸素を増やす習慣を改める。 ・
《 老化予防 》
・ 老化予防の第一歩は生活習慣の見直し。
・ 運動習慣は生活習慣病の予防になる。 〜 運動習慣をもつことは運動機能低下を予防する。
・ 老化を遅らせるには、まずは健康な細胞が作られるようにすることが重要。
・ 作られた細胞を酸化や糖化から守り、細胞が健全に機能するために必要な栄養素やホルモンなどが十分に供給される必要がある。
・ 糖質をとりすぎない。早食いは避ける。AGEsの摂取を控える。
・ ストレスを極力避ける。 できれば11時前には寝る。 睡眠時間は6〜7.5時間((レム睡眠+ノンレム睡眠=90分)4〜5セット)がベスト。
・ 運動で抗酸化作用を高める。 節制してとサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を増殖活性化させる。
* 脳の加齢萎縮は、前頭葉から始まる。
* 体力の衰えより早く来る、感情の老化」。
・ 「感情老化は人から意欲を奪い、気持ちを切り替えにくい状態にします。 しかも、そのままの状態で放っておくと老化は進行する。 身なりに構わなくなって外見も老け込んでしまったり、何かにつけおっくうになって体を動かさなくなったり。全身の老化の引き金になるんです。
前向きに働き続けるためには前頭葉に刺激を与えること。
・ 新しいことにチャレンジして脳の前頭前野に刺激を送ることが、感情老化を抑えるのに有効。
・ 「自分が楽しい」を優先して考えてみる。
初めての食材や旅行先にトライする。
・ ココア“ファイトケミカル”を多量に含む食品を摂る。 老化防止効果が期待できる。
・ 味噌汁にはレシチン、サポニン、イソフラボンといった成分が含まれており、抗酸化作用がありコレステロールをコントロールして血管や脳を健康に保つ働きがある。
・ ノンカフェイン飲料。
・ 喫煙、“砂糖入りの炭酸飲料”が細胞の老化を加速させる。
【 毛細血管 】
・ 若さと健康のカギは「毛細血管」
・ 毛細血管の役割
〜酸素と栄養を運ぶ大事な存在。
血液が届かなくなって管だけになった毛細血管 「ゴースト化」
・ ゴースト化により、皮膚のたるみ、シワ、抜け毛、冷え性など、更には骨粗鬆症、アルツハイマー病などを引き起こす原因にもなる。
・ 特に、肌に影響が出てしまう(シミやシワなど)。
・ 肺や脳の毛細血管も減ると病気につながってしまう。
【 毛細血管劣化の原因 】
@ 加齢に伴う細胞の寿命。
【 毛細血管劣化の原因 】
@ 加齢に伴う細胞の寿命。
A 血糖値やコレステロールの上昇が血管の細胞にダメージを与える
【 毛細血管劣化のサイン 】
・ 「むくみ」がサイン 〜 皮膚の下の毛細血管で漏れが起こるとむくみとして現れる。
【 毛細血管劣化予防対策 】
・ 一番重要なのは血流を増やすこと。
@ ウォーキング : 3分ゆっくり、3分早歩き(インターバル速歩)を交互に。(約3割毛細血管数がUP)
A お風呂 :
自分が一番良いと感じる温度(40〜41℃)で10分間肩までしっかりつかる。(1割〃)
B ウォーキングよりもっと効果が高いのは、「スキップ」。
(5割〃)
第2の心臓と言われるふくらはぎのポンプ機能を使う。
大人がスキップするのは恥ずかしいので、「その場スキップ」をする。
かかとの上げ下げも効果的。〜 1回につき20回〜30回ほど行う。朝・昼・晩わけてやります。
部屋の中でその場で1度に20回、朝昼晩の3回行う。
D 血管若返り注目食材 〜 シナモン
・1日に必要な桂皮の摂取量は0.6グラム。
《 脳の老化 》
脳には、ニューロンという神経細胞が無数に張り巡らされています。
ニューロンとニューロンの間にはシナプスという継ぎ目があり、情報の受け渡し役を担っています。
シナプスの数は刺激を受けるたびに増えていき、これにより脳が発達していきます。 逆に刺激が少ないと、脳は衰えていくのです。
* 運動で交感神経が優位になり、心拍数が上がって血流が促進するほかに、気持ちをポジティブにする、次のような若返りホルモンが活性化するからです
@ β-エンドルフィン 人間だけが分泌できる究極のホルモンといわれ、快感や陶酔感、多幸感をもたらします。 15分ほどのジョギングで活性化し、その効果は3〜5時間も持続します。
A ドーパミン いわゆる「やる気ホルモン」。 意欲を高めたり、ワクワクドキドキといった高揚感をもたらします。
B .セロトニン 睡眠ホルモンとしても知られる、イライラを鎮めて心を穏やかにするホルモンです。 ジョギングやウォーキング、ダンスといったリズムを刻む運動は、セロトニンの分泌を促進します。
「ランナーズ・ハイ」は、β-エンドルフィン、ドーパミン、セロトニンが揃って大量に分泌されるための、究極の至福感。
《 老化予防 》
@野菜と果物を食べてサビない体になろう!
Aなによりも紫外線対策!
B美肌の基本はクレンジングとスキンケア!
C快適睡眠で若さがよみがえる!
D入浴するだけでアンチエイジング
E正しい食事で体の中からアンチエイジング!
Fエクササイズと運動で若くてしなやかボディ!
・ 有酸素運動を続けることで抗酸化酵素の生成量が増加する。
・ 無理なく続けることができるジョギングやウォーキングなどは抗酸化酵素の生成量をキープする上で非常に効果的な運動。
《 筋力トレーニング 》
・ 筋肉量の増加は基礎代謝量の増加に貢献。
・ 筋トレは、アンチエイジングに効果的な成長ホルモンの分泌を促す作用がある。
・ 筋トレすると成長ホルモンが大量に分泌されます。
・ 成長ホルモンはまさにアンチエイジングホルモンとも呼ばれる最強のホルモン。
・ 成長ホルモンが1番でるタイミング
@ 睡眠後2時間くらいが多くなると言われており、22時から翌2時の4時間。
A 筋肉が刺激されたあとに成長ホルモンがいっぱい出ます。
・ 筋肉は体重の4割、7割が下半身にあるので、下半身の筋トレがオススメ。
・ 成長ホルモンが体脂肪の分解を促進する。
《 ストレッチ運動 》
・ ストレッチ運動とは筋肉や靱帯、そして腱などを伸ばす運動。
・ ストレッチ運動にはリラックス効果や疲労回復、そして入眠効果もある。
・ 疲労回復やリラックス効果をもたらすためには静的ストレッチが効果的。 コリを解消するためには静的ストレッチを行った後に動的ストレッチを行うと効果が高まる。
・ ストレッチ運動を行うときは伸ばす筋肉を意識し、痛みを感じない程度に呼吸を止めずに行うのがよい。
・ 「食事をして血糖値が上昇し始めるのは血管の中にブドウ糖が入ってからです。 食べた食事は胃、小腸に入ってでんぷんなど糖質がブドウ糖に分解されます。それから血管の中に入っていくわけですが、15〜20分で血糖値が上昇し始め、1〜1時間半程度でピークに達し、2時間位で下がり始めます。このピークの時にブドウ糖をエネルギー源として使う運動を行うと、糖化が抑えられるのです。ただし、激しい運動をしては消化を妨げることになりますので、軽い運動がお勧めです。 具体的には15分ウォークとハーフスクワット20回程度をすればいいでしょう。」
・ 足腰を鍛える代表的な運動が“スクワット”。
1セット、10〜20回、一日2〜3セット。
・ 運動は認知症予防にも効果があります。 脳の視床下部のBDNF(脳由来神経栄養因子)には、脳の細胞を増やし認知症やアルツハイマーの予防作用があることが分かっています。
このBDNFを増加させるのが軽い有酸素運動です。
1日3.2km歩けばいいとされています。 1日0.4kmしか歩かない人は、3.2km歩いた人に比べて1.8倍認知症のリスクが増すというデータもあります。
・ WHO(世界保健機関)は健康長寿のためには、以下の4つを鍛えるべしという勧告案を出しています。
(1)筋力、(2)持久力、(3)関節の柔軟性、(4)バランス力。
《 アンチエイジング効果の高い運動 》
@ ウォーキング
全身の筋肉を動かすことになるため筋肉が増え、代謝や血流がよくなる効果ほか、長時間酸素を取り入れることになるため美肌や若返りに効果が期待できる。
A ヨガ
深い呼吸が自然と身につき、細胞レベルでの若返りも期待できるでしょう。
ヨガは全身にしなやかな筋肉がつくため、エイジレスな美ボディに導く効果が期待できます。代謝もよくなり太りにくくなる効果もあるともいわれているためアンチエイジング効果抜群の運動といえる。
B 筋トレ
筋肉量を増やすことは代謝を上げ、太りにくい身体をつ。
(筋トレなど)きつめの運動をしなくても、ウオーキングなどの息が切れない程度の有酸素運動で、若返りスイッチである長寿遺伝子のSirt1(サーチュインワン)がオンになり、また、筋肉細胞でエネルギーを作り出すミトコンドリアが活性化することが分かってきました。
・ ミトコンドリアが活性化すると、エネルギー消費が高まり、余分な脂肪も燃えやすくなります。
ミトコンドリアは、体の中心部分、背骨まわりや大腿部などにあり、体を重力から支えて、長時間の有酸素運動で使われる筋肉(遅筋)中に多く存在します。
軽い運動の中でも、特にこれらの「コア」の筋肉に刺激が伝わるような運動がおすすめです。 ウオーキングはもちろんですが、ヨガやピラティスや太極拳などもいいでしょう。
・ “代謝改善ホルモン”といえる性質を持つアディポネクチンの分泌にも、きつい運動より適度な運動のほうがが効果的なようです。
・ アディポネクチンは、ミトコンドリアを増やし、脂肪の燃焼を促して糖や脂肪の代謝を良くする作用のほか、傷ついた血管を修復する、炎症を防ぐ。
・ 「カラダを老化させる運動」 〜 無酸素運動、過度な強度の有酸素運動、長時間の有酸素運動、ストレスを生じやすい試合、競争ゲームスポーツに注意。
・ ストレスもまた、活性酸素を発生させる原因となる。 適度な有酸素運動は、ストレス解消の意味でもアンチエイジングに有効。
・ 「特に無酸素運動の場合は、運動直後に大量の空気を吸い込むことになり、結果的に有酸素運動以上の活性酸素を発生させてしまう。
・ 筋トレで傷ついた筋肉は2〜3日で修復される。 その後、筋肉が増強“超回復”効果がある。
・ 数秒間、数回、インターバルで数回、合計2〜3分全力の力を使ったトレーニングを週2〜3日の筋トレが最良効果的。
・ 有酸素運動も、適量が効果的。 気持ち良いキツサを越えたり、長時間続けたりするのは活性酸素が生じ、逆効果。
・ 日常的に有酸素運動を続けている人は、抗酸化酵素の生成量が減りにくいことがわかっています。
・ 「抗酸化酵素が豊富につくられていれば、多少の活性酸素が発生しても、差し引きでアンチエイジング効果が得られることは間違いありません」。
・ 意気込んでたまにハードな運動をするのではなく、ジョギング程度の適度な運動を習慣化するのが、いつまでも若々しくいられる秘訣。
・ 食事をすると、血糖値が一気に上昇します。 15〜20分くらいで血糖値は上昇し始めて、1時間から1時間半後にちょうどピークに達するといわれています。
・ この時に運動をしてエネルギー源として糖分を使ってしまえば、太る心配もありません。 15分程度のウォーキングやハーフスクワットを20回程度する軽めのメニューをこなす習慣をつけましょう。
* 参考・引用 HP ⇒ ・ 運動の対策|アンチエイジングネットワーク
・ アンチエイジングに効果的な運動は?いつまでも若々しくいるために今日から出来ること。 渋谷のパーソナルトレーニングはととのえて、からだ。
・ 健康長寿ネット−老化予防と生活習慣
・ 「NHK“ためしてガッテン”より」(2016.07.13)